居合道とは(全日本居合道連盟とは)

 居合道(いあいどう)とは、武術である抜刀術・居合を武道としたものである。居合道とは日本刀を用い抜刀から納刀、及び諸作法を通し技能の修練のみならず、人格なども含めた各自による自己修練のこと。現在、座った状態で、鞘から刀剣を抜き放ち、さらに納刀に至るまでをも含めた武術を、ひとつの独立した武道として成している国は、全世界でも日本のみで、実は非常に稀有なものである。
 それぞれの団体において段級位制があり精進を重ね、形を演武し所定の審査と試験を経て段位及び範士、教士、錬士という称号を授かる。十段範士が最終段階であり、最終目的である。
 我が連盟は古来伝統の輝かしい古武道である居合道の各流派を正しく後世に伝承せんが為、武士道精神に則り創立発足された我が国唯一、最高且つ最も誇りある伝統を持つ居合道専門の団体である。(昭和29年5月4日創立)

【全日本居合道連盟称号段位の認定について】

 毎年、年2回(5月春季、10月秋季称号段位審査会)称号段位審査会が行われます。 合格者には連盟会長より連盟発行の允可状が授与されます。
 ① 段位並びに称号審査に於ける受審制限年数及び資格年齢
   初段~五段 初段は入門後(一、二年)、前段位の允可後満一ヵ年以上経過した者
   六段    五段受有後満一ヵ年以上の者
   錬士    六段受有後満二ヵ年以上の者
   七段    錬士受有後満三ヵ年以上の者
   教士    七段受有後満四ヵ年以上経過し年齢満三十五才以上の者
   八段    教士受有後満五ヵ年以上経過し年齢満四十五才以上の者
   準範士   八段受有後満三ヵ年以上経過し年齢満五十二才以上の者
   範士    準範士受有後満三ヵ年以上経過し年齢満五十五才以上の者
   九段    範士受有後満五ヶ年以上の功労者
   十段    九段受有後満五ヵ年以上の功労者
 ② 審査科目 学科並実科
   イ)実科は自流の技以外に全日本居合道刀法二本を加える(当日発表)
    猶、教士、八段に於いては自流の技の内各流派毎、奥の技一本当日指定する。
   ロ)学科は六段より錬士、七段迄は、例年の形式によるが、
    教士、八段受審者は小論文形式を採る。
 ③ 準範士、範士は地区連盟会長より本部所定の推薦状および本人の履歴書を添付する事。
 ④ 初段~五段までの認定は各地区連盟(関東地区は関東地区連盟:東京)で審査が
  行われます。

審査写真1

無双直伝英信流とは

 今から460年前の天文11年、羽前国村山郡楯岡在林崎村(山形県村山市楯岡)に住む浅野数馬・菅野夫婦に男の子が生まれ、民治丸と名付けられた。
 この子が6才の時、楯岡城主最上家に仕えていた数馬は、坂上主膳という兵法者に斬られ、主膳は逃亡、民治丸は幼くして敵討ちの重責を負う身となった。
 以来彼は剣を学び、寝る間も惜しんで工夫を重ね、林崎明神に篭って大願成就を祈ったが、百日満願の日、夢うつつの間に抜刀術の妙技を悟ったのである。 時に弘治2年(1556)、わずか14才だったという。
 当時、合戦に臨む武士たちは、槍に対抗するため刃渡り3尺3寸(約1m)にも及ぶ長剣を用いていた。 だが抜けば威力を発揮する長剣が、腰に帯びた時は抜き難いというマイナスに働く。まして敵討ちは、名乗りを上げて尋常に戦うとは限らない。寝込みを襲われることもあり、闇夜に後ろから斬られる場合もあり得る。 彼はいかなる条件の時も瞬時に刀を抜き、敵を倒す術を工夫したが、それが即ち居合だったのである。
 彼は18才で元服して林崎甚助重信を名乗り、工夫した抜刀術を林崎夢想流と名付けた。かくして勇躍敵討ちの旅に出た重信は、2年の後に京で坂上主膳と出会い、みごと討ち果たして武名を上げることになる。  その後も彼は武術修行の旅を重ね、禅の道をも究めようとした。いつ出会うとも知れぬ敵を思っての恐れ、あせり、不安。剣を自在に振るうとは、心の自由を保つことに他ならないと痛感したからである。
 林崎重信に居合を学んだ弟子には、片山伯耆守久安、田宮平兵衛業正、関口弥六右衛門氏心、長野無楽斎槿露、高松勘兵衛信勝などがあり、それぞれに工夫を加えて、伯耆流、田宮流、関口流、無楽流、一宮流などを興している。
 時代は下って江戸時代、林崎夢想流七代目の長谷川主税助英信は時代感覚の鋭い人だった。彼は抜刀、納刀の形を太刀から帯に差す打刀向きに改め、業を一新した。以後この流派を 無双直伝英信流 と称するようになる。
 更に九代目林六太夫守政は、神陰流達人大森六郎左衛門正光から、畳に正座して行なう技を学んでこれを取り入れた。
 林守政が土佐藩に伝えた英信流は、御留流として永く門外不出となったが、十七代大江正路に及んで技を整理して学び易くし、全国を廻って英信流の普及に努めた。

【無双直伝英信流居合兵法称号段位の認定について】

 毎年、年1回(10月宗家講習会時)称号段位審査会が行われます。
合格者には無双直伝英信流宗家より宗家発行の允可状が授与されます。
 ① 段位並びに称号審査に於ける受審制限年数及び資格年齢
   三段    三段迄は 任意(飛び審を認む)
   四段    三段合格後一ヵ年以上の者
   五段    四段合格後一ヵ年以上の者
   六段    五段合格後満一ヵ年以上の者
   錬士    六段合格後満二ヵ年以上の者
   七段    錬士合格後満三ヵ年以上の者
   教士    七段合格後満四ヵ年以上経過し年齢満三十五才以上の者
   八段    教士合格後満五ヵ年以上経過し年齢満四十五才以上の者
   準範士   八段合格後満三ヵ年以上経過し年齢満五十二才以上の者
   範士    準範士受有後満三ヵ年以上経過し年齢満五十五才以上の者
   九段    範士受有後満五ヵ年以上の功労者
   十段    九段受有後満五ヵ年以上の功労者
 ② 審査科目 学科並実科
   イ)実科は無双直伝英信流の技を行う。
   ロ)学科は行わない。
 ③ 英信流段位未取得者が受審する時は全日本居合道連盟段位の次の段位を
   希望すると良いと思います。猶、既取得者は資格年数はお守り下さい。
 ④ 湘南東支部、湘南西支部は10月の宗家講習会時(鎌倉鶴岡八幡宮研修道場)
   にて審査が行われます。

審査写真2